ダイエットは、寿命を縮める可能性が高いということを認識しておく必要があります。
- 筋トレは、癌による死亡リスクを31%下げる
という研究結果が出ています。
「筋トレは、がんによる死亡リスクを31%下げる」との研究結果
また、65歳以上の高齢者のうち、筋力トレーニングを行っている人は、そうでない人よりも、全死因における死亡リスクが31.6%低いという別の結果もあります。
運動自体に健康効果があるのはもちろんですが、筋肉量が多いというのも健康に良い影響を与えます。
筋肉が多いことで、代謝が良くなります。
筋肉があるだけで、大きなエネルギーを消費することになります。
筋肉があるだけで、無駄な脂肪を燃焼することにつながります。
国立スポーツ科学センターの発表によれば、除脂肪体重が1kg増えると、一日に28.5kcal多く消費されるようになります。
また東大の石井教授や国立健康・栄養研究所の発表によれば、トレーニングで除脂肪体重が1kg増えると、ノルアドレナリンなどホルモン分泌の関係により、基礎代謝は一日に50kcalほど増えるそうです。
何歳になっても筋トレで筋肉は増える
高齢になると、筋肉量は一気に減少していきます。
歩くのに必要な量の筋肉以下になると、歩けなくなってしまいます。
そうなると、当然寝たきりの状態となり、健康的な生活を行うことが難しくなるでしょう。
それを防ぐのは、やはり筋トレです。
筋トレをすることで、筋肉の減少を防ぐことはもちろん、高齢になっても筋トレで筋肉を増やすことも証明されています。
90代でも筋トレをすれば筋肉量が増えた実験もあるようです。
そんな健康に重要な筋肉ですが、それを減らしてしまう行為があります。
それが
- 運動不足
- 無理なダイエット
です。
体を動かさないと筋肉は減少する
体を動かさずに運動不足となると、体は筋肉の必要性を感じなくなります。
「筋肉がなくても生活できるんだ」
と感じてしまいます。
筋肉が増えるのは、体を動かして筋肉に負荷がかかり、そのストレスに適応しようとして大きくなっていきます。
しかし、体を動かさないということは、筋肉を増やすために必要なストレスを感じないということです。
そうなると、体は、必要最小限の筋肉だけにしていくようになります。
つまり、筋肉を小さくしていくということです。
ダイエットをすると筋肉が減る
ダイエットでも筋肉は小さくなっていきます。
筋肉は、消費エネルギーが大きいので、摂取エネルギーが少ないと、燃費の悪い筋肉を小さくしていこうとします。
食べるものに困らなくなったのは、ごく最近のことで、それまで人間は食べるものが少なく餓死することもありました。
その記憶があるために、摂取エネルギーが少なくなると、餓死するのを恐れて、省エネの体にしていきます。
そのために行うのが、筋肉を減らしていくことなのです。
筋肉を減らさずにダイエットを行うのは、非常に難しいことです。
ボディビルダーが一生懸命トレーニングして筋肉量を増やしたにもかかわらず、ボディビルの大会に向けてダイエットすることで、トレーニング前の筋肉量にまで落ちてしまうこともあるほどです。
筋肉の専門家でも筋肉量を落とさずにダイエットすることが難しいのに、ほとんど知識のない人が、
- 何も食べない
- 一つの食品だけを食べる
- 運動をしない
などのダイエットをすると、間違いなく筋肉量は落ちることになるでしょう。
つまりそれは、
- 筋肉量が減る=寿命が縮まる
ということです。
筋肉を落とさずにダイエットする
ダイエットして細い体にしたいのはわかりますが、正しい知識を持たずにダイエットすることは、そのようなリスクを持っているということを認識して行う必要があるでしょう。
できるだけ筋肉を落とさずにダイエットするためには
- 筋トレをする
- ダイエット期間を短くする
- 摂取カロリーを増やさずに食事の回数を増やす
などがあるでしょう。
ダイエット中の筋トレは軽めにする
ダイエット中も、筋トレをして筋肉にストレスを与えて、筋肉を維持していくようにします。
しかし、ダイエット中は摂取カロリーが減るために、回復が追いつかずにオーバートレーニングになりやすくなります。
そうなるとケガをしたり、筋肉が減少したりしますので、普段のときより軽めにしておく必要があるでしょう。
長期間のダイエットをしない
ダイエット期間は、短くする必要があります。
摂取エネルギーが少ない状態が続くと、体はそれに適応しようとします。
それを防ぐためには1週間に1回ほどチートデイを設けて、しっかりと食べることです。
しっかりと食べることで、摂取エネルギーが増え、ダイエットで省エネの体にしようとするのを防ぐことができます。
代謝が高い状態を維持でき、ダイエットしやすい状態を維持することができます。
しかし、それも何ヶ月も続いてしまうと、やはり体は省エネの体にしようとしてしまいます。
また、ダイエット中は強度の高い筋トレもできませんので、できるだけ短期間にしておくことです。
ダイエット期間を終えたら、普通の食事量に戻し、この期間にしっかりと強度の高い筋トレをして、筋肉量を増やして、またダイエット期間に入ります。
ダイエットは数ヶ月の長期間ではなく、1ヶ月2ヶ月の短期間で、それらを繰り返すことで、筋肉量を維持しながらダイエットすることができます。
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タンパク質と食事の回数を多くする
食事の回数を増やすことでも、筋肉量を維持しながらのダイエットにもつながります。
空腹のときというのは、体はエネルギーを得るために、筋肉を分解してエネルギーを得ることになります。
また、空腹を感じると飢餓の危機を感じて、省エネの体にしようとしてしまいます。
それを防ぐためには、できるだけ空腹の時間を作らないことです。
摂取エネルギーは増やさずに、食事の回数を増やすことです。
食べたものを消化するのは、エネルギーを使います。
そのため、食事の回数を増やすだけでも、消費エネルギーは増えることになり、ダイエットに繋がります。
食事の消化に使われるエネルギーは、基礎代謝と運動の代謝の次に多いといわれています。
とくにタンパク質はこの消費エネルギーが多く、太りにくい食事です。
食事でたんぱく質をしっかりと摂取することも、重要なことと言えるでしょう。
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ダイエットをするのは、見た目をよくすることや、病気を防ぐのに大切なことですが、間違ったやり方によって、寿命を縮めてしまってはダメでしょう。
筋肉を落とさないように気をつけながらダイエットしていくことが大切ですね。