筋肉の材料となり、筋肉を大きくしていくのに欠かせないプロテイン。
そのプロテインを分解して、9種類の必須アミノ酸をパウダーにしたEAA。
どちらも、筋肉を大きくしていく筋肥大に有効なサプリメントです。
では、その両方のサプリメントを同時に摂取すれば、効果は大きくなるのでしょうか?
じつは、同時に摂取するよりは、プロテインとEAAのそれぞれ特性を理解して、上手に組み合わせることで、効率よく筋肥大を促進していくことができます。
それらを説明していきます。
EAAの特性
EAAは必須アミノ酸のことです。
たんぱく質を分解したアミノ酸の中の、体内で合成できない9種類のもののことを言います。
体内で作ることができないので、どうしても食事等で摂取する必要があります。
この必須アミノ酸は筋肉の材料に欠かせないものです。
プロテインは、この必須アミノ酸を摂取するために飲んでいるものです。
EAAは、これをパウダー状にしたもので、
- プロテインと比べると非常に吸収が速い
のが特徴です。
そのため、
- 短時間のうちに血中アミノ酸濃度を高い状態にしてくれます。
短時間に血中アミノ酸濃度を上げてくれるのですが、逆に
- 短時間でピークを迎えてすぐに濃度は元に戻ってしまいます。
プロテインの特性
プロテインはたんぱく質をパウダー状にしたものです。
アミノ酸と違って、食事ほど負担や時間はかかりませんが、消化する必要があります。
そのため短時間で血中アミノ酸濃度は上がりません。
緩やかに上昇していきます。
しかしEAAと比べると、
- 血中アミノ酸濃度の高い状態を、長時間維持
してくれます。
血中アミノ酸濃度が高い状態を維持する
どちらも血中アミノ酸濃度を上げるというお話をしました。
これは、筋肉を作る上では重要なことです。
体は、筋肉を作ったり、また分解したりするのを繰り返しています。
もし筋肉を作ろうと思ったときに、血中アミノ酸濃度が低いと、筋肉を作る十分なアミノ酸がないと感じます。
筋肉を作ることをせず、逆に、筋肉を分解して、そこからアミノ酸を取り出す様になるのです。
筋トレをするときに筋肉に刺激が入って、体が筋肉を作ろうと感じます。
このときに血中アミノ酸濃度が低い状態だと、筋肉が作られるどころか、筋肉が分解されることになるのです。
そうならないためにも、
- 筋トレをして筋肉を発達させようと思っている人は、一日を通して血中アミノ酸濃度を高い状態にすることが理想
なのです。
EAAとプロテインは混ぜるより使い分ける
それでは、プロテインとEAAの特徴を知った上で、どう飲み分ければいいのでしょうか?
EAAを飲むタイミング
トレーニング30分前
EAAは筋トレをする30分前に飲み始めます。
血中アミノ酸濃度は30分ほどでピークを迎えますので、このタイミングで飲んでいきます。
プロテインは消化する必要があるので、トレーニング直前に飲むと、トレーニング中に
吐き気がする
消化不良を起こす
胃もたれをする
など、トレーニングに集中ができなくなりますので、おすすめできません。
トレーニング中
EAAは、トレーニング中も飲み続けます。
トレーニング中はエネルギー消費が大きくなります。
エネルギー不足になりやすく、筋肉の分解が進みやすい時間帯です。
アミノ酸は筋肉のエネルギーにもなります。
特にBCAAがそうです。
BCAAや、炭水化物を分解したマルトデキストリンも同時摂取しておきます。
筋肉の分解を防いで、筋肉の合成を進めてくれるようになります。
EAAはもう1回飲む時間帯があります。
起床直後
それは起床直後です。
寝ている間は食事することができず、長時間空腹の時間が続きます。
血中アミノ酸濃度は一番低いときです。
いち早く濃度を上げる必要があります。
プロテインでは時間がかかりすぎますので、ここは短時間で濃度を上げられるEAAがおすすめです。
プロテインを飲むタイミング
筋トレ30分後
プロテインは筋トレ後30分ほどしてから飲みます。
トレーニング中は筋肉などの全身に血液が回っている状態です。
そのときに消化が必要なプロテインを飲んでしまうと、胃もたれを起こしてしまいます。
ちょうどEAAでのアミノ酸濃度が下がってくる頃の、トレーニング後30分ほどしてから飲むのがいいでしょう。
就寝前
寝ている間は、食事をすることができません。
そのため血中アミノ酸濃度が低くなってしまいます。
それを少しでも防ぐために、長時間アミノ酸濃度が高い状態が続くプロテインがおすすめです。
ホエイプロテインではなく、吸収の遅いカゼインプロテインがおすすめだと言われています。
ホエイプロテインでも、その中にオリーブオイルを少量混ぜて飲むことで、吸収の速度を遅らせることができますのでおすすめです。
食間
食事と食事の間も空腹の時間となります。
血中アミノ酸濃度の低い時間帯となります。
軽い食事が難しいのであれば、プロテインを摂取するといいでしょう。
EAAはいらないのか?
このように、プロテインとEAAは、
- 吸収の速さ
- 血中アミノ酸濃度の高さの持続時間
が違います。
EAAはいらないという人もいます。
しかし、できるのであれば、EAAも使うことで、
- トレーニングに集中しやすくなる
- 筋肉分解を防ぐ時間が減る
というメリットがあります。
上手に飲み分けることで、効率よく筋肉を大きくすることができます。
EAAとプロテインを同時に飲むのではなく、使い分けて飲むようにしましょう。