私は、マンション2棟の他に
- 高松市に2戸
- 宇和島市に7戸
- 宿毛市に1戸
の一戸建て賃貸住宅を所有しています。
初めに2棟のマンションを購入したあとは、戸建てを購入し続けています。
それは、戸建ての方が
- 入居募集すればすぐに入居が決まる
- 入居すれば入居期間が長い
- 管理が楽
などの理由があるからです。
入居者の方も、集合住宅より戸建ての方がメリットが多いので、戸建てを選んでいるのでしょう。
今までに購入した戸建ては、
- 入居者がいないもの
- 入居者がいるもの
両方を購入してきました。
どちらがいいのか?と聞かれると、やはり入居者がいるオーナーチェンジの物件です。
オーナーチェンジとは、その名の通り入居者がいる物件で、入居者はそのままでオーナーだけが変わるものです。
このオーナーチェンジには様々なメリットやデメリットがあります。
私が購入してきた経験から、これらを解説していきたいと思います。
オーナーチェンジのメリット
すぐに家賃収入が得られる
オーナーチェンジ物件であれば、入居者がいる状態なので、購入したその日から家賃を受け取ることができます。
もし入居者がいない物件でしたら、入居が決まるまでは家賃が入ってきません。
アパートやマンションでしたら、複数のお部屋があり、全室が空室ということは珍しく、いくつかのお部屋は入居者がいますので、家賃収入があります。
しかし戸建ての場合は、入居があれば家賃収入が入ってきますが、空室であれば、家賃収入は0です。
戸建ての場合は、
- 家賃収入がある
- 家賃収入が無い
のどちらかです。
現金で購入している場合であれば、そんなに問題はないのですが、融資を受けて購入しているのであれば、その間ローン支払いをする必要があります。
家賃収入がないのですから、資金の持ち出しになります。
資金が少ないときは焦りが出て、失敗を引き起こすこともあります。
しっかりとお金をかけて対策しなければいけないところを、ローンの支払で資金が乏しくてケチってしまい、あとでトラブルになったり、余分な出費が発生してしまうことになります。
オーナーチェンジでは、とりあえず家賃収入がありますので、気持ちに余裕があり、トラブルにもしっかりと対応しやすくなります。
入居者が退去するまでは安心できますが、その間に大きなトラブルに対応できるような資金をためておくことを忘れないようにしましょう。
オーナーチェンジはローン交渉がしやすい
賃貸のための一戸建ては、物件自体が数百万円とマンションやアパートと比べると価格が低いものが多いです。
そのため現金で買う方もいらっしゃいます。
しかし、融資を受けて手元に資金を置いておくほうが、余裕を持った賃貸経営ができます。
私の場合も、融資を受けて購入しています。
そのときに
- 空室の物件を買う
- 入居者がいる物件を買う
のとでは、金融機関の印象も大きく変わってきます。
空室であれば、本当に入居が決まるのかどうかわかりません。
入居の見込みがあると説得しても、それまでの実績がなければ、金融機関もなかなか信用はしてくれないでしょう。
金融機関から見れば、家賃収入がなければ融資したお金が返ってこないリスクが高まります。
それに比べてオーナーチェンジであれば、すぐに家賃収入がありますので、返済が滞るリスクは少なくなるでしょう。
そうなると一概には言えないのですが、融資しやすくなるのはオーナーチェンジの方だと思います。
リフォームしなくていい
これは物件によると思いますが、私が購入した空室の物件は、購入直後にすべてリフォームしています。
金額は、少ない場合で50万円ほどで、多い場合で150万円ほどです。
このお金は購入する前に見積もりをしておいて、物件の売買代金と合わせて銀行などから借り入れを行っています。
しかし、見積もりどおりに収まらないこともあり、余分にお金を出さないといけない場合もあるでしょう。
そのような場合、手元の資金から出すことになります。
この前借りたのに、また追加で金融機関からは借りにくいものです。
手元の資金が減ると、次の投資機会を逃すことになったり、急なトラブルに対応できないことになります。
また、リフォームが大規模になれば時間もかかります。
当然その間は、家賃収入はありませんが、借り入れの返済をしていくことになります。
オーナーチェンジであれば、その入居者が退去するまでは、基本的にはリフォームのお金は必要ありません。
それに備えて、退去するまで家賃収入で資金をためておくこともできるでしょう。
戸建てのオーナーチェンジのデメリット
このように戸建てのオーナチェンジ物件をおすすめしていますが、やはりいいことばかりではありません。
当然デメリットもあります。
入居者がいるので中を見ることができない
空室の物件であれば誰もいませんので、不動産業者さんと一緒に物件に行って、中を見ることができます。
- 雨漏りの跡がないか
- 間取りは図面通りか
- シロアリのあとはないか
- 建物の傷み具合はどうか
- リフォームにかかる費用はいくらか
など、建物のリスクやコストを確認して、購入の検討をすることができます。
アパートやマンションの場合も、満室でなければ空室のお部屋を確認することで、大体の予想ができます。
しかし戸建てのオーナーチェンジの場合は、入居者がいますので基本的には中を見ることができません。
外観を見たり、仲介業者さんに聞いたりして、判断することになります。
そのため、入居者が退去したあとにみてみると、図面でフローリングとしてあったところが畳であったり、雨漏りはないと聞いていたのに雨漏りの跡があったりすることもあるでしょう。
だからといって、図面通りに直してくれる可能性は少ないです。
オーナーチェンジの物件の場合は、資料や図面などに現況優先と書かれていることがほとんどです。
このリスクを回避するには、
- 信頼できる不動産業者さんと親しくなる
- 周辺の不動産業者さんと親しくなっておく
ことです。
特に田舎では、長い間不動産業を営んでいる方が多く、社員数が少なく社長さん自身が案内などをしていることがほとんどです。
親しくなっておくことで、いいこと、悪いこと、様々な情報を教えてもらえます。
中を見れないリスクを回避するだけでなく、他のリスクを避けるためにも、そのようなことは重要なことだと思います。
入居者がサクラの場合がある
購入した瞬間に家賃収入があるオーナーチェンジなのですが、その入居者がサクラという場合もあります。
売り主の親族や知り合いを入居させて、周辺より高い家賃にすることで、売却価格を高くし、売却ができたらすぐに退去するというものです。
アパートやマンションでは、このようなことを行うにはお部屋が多くて人の数が必要で、困難な場合が多いでしょう。
しかし、戸建の場合は1人サクラがいればいいので、容易にできるでしょう。
これでは空室の物件を、市場より高く購入したのと同じことになってしまいます。
当然次の入居は家賃を下げることになりますので、予想していた利回りよりも低いものになります。
このリスクを避けるには、先程の信頼できる不動産業者さんと親しくなるというものと
- 賃貸契約書を確認する
- 市場より安く買う
ことです。
賃貸契約書を確認して
- 最近入居したものではないか
- 売り主と同じ苗字ではないか
- 周辺の家賃より高くないか
などを確認しておきます。
そして一番のリスク回避方法が、市場よりも安く買うことです。
もし退去されたとしても、安く買っていれば家賃を周辺よりも安くでき、募集も楽にできます。
また、安く買った分銀行への返済も少なくなりますので、家賃を下げても資金ショートする可能性も低いでしょう。
賃貸契約の変更ができない
オーナーチェンジ物件の場合、現在入居している人との賃貸契約はそのまま引き継がれることになります。
オーナーが変わったからといって、家賃を値上げすることもできません。
契約内容が不利になっていても、そのまま引き継がれることになります。
そのため、必ず契約内容を確認しておくことが必要です。
- 退去時のクリーニング費用
- 浄化槽の管理料・汲み取り費用
- 駐車場代
など、オーナーが払わなければいけないものもあります。
そうなれば経営計画も変わってくるでしょう。
また、保証人の確認も必要です。
亡くなっていたり、連絡がつかなくなっていたりすることもあります。
保証人のない契約の場合もあります。
確認を怠ると、家賃を滞納されたときに回収できないリスクが高まります。
実際私も、保証人がいない契約だったために、家賃滞納が続いて回収できないことがありました。
このように、オーナーチェンジの物件は、いいことばかりではなく、リスクもあります。
しかし事前に、しっかりとリスクを回避する方法を知っていれば、そこまで大きなリスクとはならないでしょう。
逆にオーナーチェンジのメリットのほうが、かなり大きいように感じます。
このリスクの回避の方法で大事なのは
- 信頼できる不動産業者さんと親しくなる
- 物件を安く買う
ことだと思います。
信頼できる不動産屋さんと親しくなることで、事前にリスクを回避できます。
物件を安く買うことで、様々なトラブルで致命傷を受けることなく対応することができます。
戸建賃貸のオーナーチェンジ物件を探すには?
私の場合、戸建てのオーナーチェンジ物件は、
- 近くの不動産業者さん
- ネット
から情報を仕入れて購入しました。
ネットであれば
- 健美家
- 楽待
などが有名でしょう。
私は高松の2戸と宿毛の1戸の物件は、健美家で探して購入しました。
宇和島の1戸の物件は
- ホームズ
から中古一戸建てを探して購入しました。
ホームズは空室のものが多いのでしょうが、売主さんがそのまま住むという形のオーナーチェンジで購入しました。
それ以外の宇和島の6戸は、親しくなった不動産業者さんの紹介で購入しました。
どちらがいいか?
と聞かれると、どちらもいいと思います。
ネットであれば、遠くの物件も見られますし、知らない不動産業者さんの情報もあり、資料請求することで、その業者さんとも仲良くなれます。
親しい不動産業者さんであれば、ネットに出ていない情報を先にもらうことができます。
どちらかに偏るのではなく、両方をうまく使うということが大切ですね。